2016年6月5日日曜日

ファウル訴訟は日ハムの敗訴で確定へ

札幌ドームで2010年、プロ野球の試合を観戦中、ファウルボールの直撃を受けて右目を失明した札幌市内の30代女性が北海道日本ハムなど3者に約4700万円の損害賠償を求めた訴訟で、球団のみに約3300万円の支払いを命じた札幌高裁判決について、女性側、球団側とも期限の3日までに上告の手続きを取らなかった。高裁判決が確定する。
 5月20日の札幌高裁判決は「女性は、球団の招待を受けた子どもの付き添いで、ファウルボールの危険性をほとんど理解していなかった。球団は具体的に危険性を告知すべきだったのに、安全配慮が不十分だった」として球団の責任を認めた。札幌ドーム所有者の札幌市や、管理会社の「札幌ドーム」への賠償請求については「球場の設備が安全性を欠いていたとは言えない」として、棄却した。
 一方、打球を見ていなかった女性にも過失があったと判断。札幌地裁が命じた賠償額を約900万円減額していた。 
ファウルボール訴訟、日ハムのみに賠償命じた札幌高裁判決確定へ | どうしんウェブ/電子版(社会)

野球ファンからすれば打球から目をそらすのが論外とか、注意喚起はチケットの裏書きや球場でのアナウンスで果たしているから損害賠償をするのは恥知らず…という論調の方が多いだろうなと思いますが、高裁はそこに一定の理解を示しながら(そこが900万円の減額)それでも十分な安全配慮義務を果たさなかった(したがって3300万の支払い)という結論になったようです。

今回の原告は野球に対する知識も興味も薄い人間、しかも子連れの女性なので件のファールボール(ライナー性の打球)をきちんと見ていても対処できたとは言い難いという裁判所(地裁)の判断は確かに理解できますがなかなか難しい問題ですね…。


ところでこの件についてはメジャーならこんな話にはならない云々という人が出てくると思うのですが(私もそういうタイプだった)実はそうでもないのかもしれません。

野球場で失明、米国では免責?(鈴木友也) - 個人 - Yahoo!ニュース

また昨年のオーナー会議では強制ではないものの防球ネットを増やそうという話もありました。
大リーグ、全球団に防球ネット拡張を推奨 ガイドライン示される ― スポニチ Sponichi Annex 野球

そして予想通りの苦情。
S・キング氏 新設された防球ネットに苦言「テレビ観戦と一緒」 ― スポニチ Sponichi Annex 野球

ゴルフではこういうケースに対応するため主催者が保険に加入してるらしいですが野球もそういうかたちをとるのがとりあえず手っ取り早い対策の一つになるかもしれませんね(すでにやってるのかもしれない)。

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